急に寒くなりましたね。一番きれいな秋の季節が何処かにいってしまったようで、日本が誇る美しい『四季』が歪になってきているようです。春がとても短くなり、夏には異常な暑さと湿気が延々と続き、やっと秋がきて清々しい気候にホッとしかけていたら暑さがUターン。可哀想なことに変化の激しい気温に桜が狂い咲きしたり、なんと蝉がジ〜と鳴いていたとか!!蝉クンは地上に出てみたものの、お仲間は周りにおらず一匹で寂しかったのでは・・・と知人が話してくれました。この大切な地球を守るためには、私たちに恩恵を施してくれている自然界を守っていかなくてはなりません。一体いつになったら人類は謙虚になることができるのでしょうか。
さて、心のコンサートシリーズは今回で第33回目を無事終えることができました。ひとえに皆様のお心ある応援の賜物です。誠にありがとうございます。
コンサートにご出席くださいました方々には事の成り行きを直接お話しさせていただいたのですが、ここで改めてご報告申し上げます。実は10月20日のコンサート当日に予期しない出来事が起こりました。
早朝に目覚め、何となく母のことが気になり部屋の扉を開けましたら、そこに母が頭から血を出して倒れているのを発見しました。滑って転び床に右こめかみ上部を打った様子でかなりの出血がありました。
救急車で病院に運び、CTスキャンや精密検査の結果は「くも膜下出血」。打った傷口から出血があったこと、そして私の発見が早かったことなどが幸いしたようで、おかげさまで最悪の事態は避けることができました。
ただそんな状況でしたのでリハーサルも殆ど出来ないままに落ち着かない気持ちで本番に臨むことになりました。大きな作品(ガブリエル・フォーレのソナタ1番)の演奏は精神的に厳しく、お客さまに事情をお伝えし、申し訳なかったのですが予定プログラムの変更をいたしました。お客さま皆様は温かいご理解を示してくださり何とか無事にコンサートを終えることが出来て肩の荷がおりた思いです。今回演奏しなかったフォーレのソナタとマスネのエレジーの演奏は次回春のコンサート(2025年4月20日)にて実現いたしますとお約束いたしました。今回ご出席されなかった皆様も是非にご来場くださいませ。お会いできましたらとても嬉しく存じます。
母に関してはお陰様でその後も新しい出血は起きていないとのこと。早々に退院し、先日傷口の抜糸も済み、今は回復途上です。年齢が年齢ですので一時はどうなることか心配でしたので本当に有難いことと感謝の念でおります。お心をかけて頂き誠にありがとうございました。
それにしても人生、突如どんなことに遭遇するか分からないものですね。
一日一日を大切に生きていかなくてはとの思いを強くしています。
心のコンサートを33回まで継続することができましたのは、続けてご出席くださる常連のお客様たち、そして、新たにご参加くださいましたお客様皆さまの当シリーズに向ける温かい思い入れのお陰です。皆さまに励まされ、後押ししていただきながら持続させて頂けることには感謝の念でいっぱいになります。終演後のレセプションを開いてお客様との交流を図りたい思いでいっぱいですし、ゲストの方をお迎えしての対談も一日も早く再開できることを願っているのですが、コロナ感染は未だに増減を繰り返すため様子見の状態です。それでも、終演後にお客様たちと少しお話しする機会を持つことが出来、若い年代の聴衆方々のご参加も増えている状況を知り、とても勇気づけられます。
「誘われて初めて伺いましたがとても素晴らしく楽しいコンサートで、是非に次回も伺います」「セレクトして下さる曲目の数々が本当に素敵で心が浄化されるようでした。大津純子さんの心配りを感じます」「美しいメロディーに聴き入り時間が経つのを忘れ た・・・」 「お話が楽しく、演奏から伝わってくる大津さんのチャーミングなお人柄に魅了された」などなど、頂いた感想の数々を噛み締めながら、改めて音楽の持つ「包容力」の大きさに感じ入っております。
今回はポリーヌ・ヴィアルドと彼女の音楽にお詳しい音楽評論家、谷戸基岩先生がご出席くださり、終演後にポリーヌとサン=サーンス、そしてベルリオーズが絡む興味深 い逸話をご披露くださいました。奥様の小林みどり先生(知られざる女流作曲家たちやポリーヌ・ヴィアルドの研究で有 名)のポリーヌに関する新・著書をプレゼントして頂き、感激いたしました。
谷戸先生からは「貴女の演奏を聴きながら、やはりヴァイオリンにとっ てポルタメントはとても重要な、演奏者の自由裁量でなされるべきテクニックなのだと改めて思った・・それが貴女の演奏の艶に貢献しているのですね・・・」というお言葉を拝したことは大変な励みとなりました。今後とも真摯な思いで音楽と向き合い、研鑽を重ねてまいりますので どうぞよろしくお願い申し上げます。
「心のコンサートシリーズ」開始当初より長い年月に亘りスタッフとして協力・尽力してくれている友人たち全員が 心ひとつに開催準備に邁進してくれますことが毎回の成功の何よりの大きな力です。関係者皆様に心より感謝を捧げさせて頂きたいと思います。
次回2025年4月20日(日曜日)午後3時半に代官山ヒルサイドで又お目にかかりましょう!
寒さが増してまいります。どうぞご自愛くださり素晴らしい新年をお迎えくださいませ。
2024年11月24日 記