2024年10月26日国立情報学研究所軽井沢セミナーハウス土曜懇話会

コロナ禍のため、土曜懇話会におけるレクチャーコンサートは長らく中止されていたのですが、漸く今年5年ぶりにお客様をお迎えしての開催が叶いました。

中止後最初の試みでしたので、慎重に人数制限(40名)が設けられていましたが、有難いことにお申し込みが増え続けたため55名まで受け付けされたとのお話でした。感謝です。

 

コンサート開始時にMCの方(国立情報学研究所の先生!)が演奏者を紹介してくださいましたが、その時に「大津純子さんには この土曜懇話会初回より毎年演奏会の依頼をさせていただいていますが、今回で第23回目の出演となります・・・」とのお言葉に、私自身、唖然!!

耳を疑いました(苦笑)。でも本当にありがたいことですね。長年にわたり私のコンサートのために東京や他所からお出かけくださっている懐かしいお客さまのお顔を拝見できて本当に幸せでした。

 

軽井沢セミナーハウスでの土曜懇話会は、国立情報学研究所を開設され、初代所長であられた故・猪瀬 博先生が「文化を発信できる地を日本のこの軽井沢の地に築きたい」との熱い思いを持たれて開始された催しです。先生は情報工学を専門とされ、デジタル技術を応用して多方面の研究を続けられました。道路交通整備の基礎技術(信号機のコントロールなど)や大学間コンピューターネットワークの実現など情報処理分野で多くの業績を挙げられています。難しい学問に携われていらしたのですが、芸術分野にも造詣の深い、とてもお優しくて品格あふれる素敵なお人格でいらっしゃいました。21世紀の動乱の世界には無くてはならない大切な方でしたが、世紀の代わり目にご逝去されましたのは本当に残念で仕方がありません。先生が細部に亘ってこだわり、建てられたセミナーハウスは魂まで洗われるような静寂な素晴らしい空間です。

 

写真はコンサート終了後、共演していただいたピアニスト・鷲宮 美幸さんとの一枚です。

 

 

 

心のコンサート その33 *ご来場ありがとうございました*

急に寒くなりましたね。一番きれいな秋の季節が何処かにいってしまったようで、日本が誇る美しい『四季』が歪になってきているようです。春がとても短くなり、夏には異常な暑さと湿気が延々と続き、やっと秋がきて清々しい気候にホッとしかけていたら暑さがUターン。可哀想なことに変化の激しい気温に桜が狂い咲きしたり、なんと蝉がジ〜と鳴いていたとか!!蝉クンは地上に出てみたものの、お仲間は周りにおらず一匹で寂しかったのでは・・・と知人が話してくれました。この大切な地球を守るためには、私たちに恩恵を施してくれている自然界を守っていかなくてはなりません。一体いつになったら人類は謙虚になることができるのでしょうか。

さて、心のコンサートシリーズは今回で第33回目を無事終えることができました。ひとえに皆様のお心ある応援の賜物です。誠にありがとうございます。

コンサートにご出席くださいました方々には事の成り行きを直接お話しさせていただいたのですが、ここで改めてご報告申し上げます。実は10月20日のコンサート当日に予期しない出来事が起こりました。

早朝に目覚め、何となく母のことが気になり部屋の扉を開けましたら、そこに母が頭から血を出して倒れているのを発見しました。滑って転び床に右こめかみ上部を打った様子でかなりの出血がありました。

救急車で病院に運び、CTスキャンや精密検査の結果は「くも膜下出血」。打った傷口から出血があったこと、そして私の発見が早かったことなどが幸いしたようで、おかげさまで最悪の事態は避けることができました。

ただそんな状況でしたのでリハーサルも殆ど出来ないままに落ち着かない気持ちで本番に臨むことになりました。大きな作品(ガブリエル・フォーレのソナタ1番)の演奏は精神的に厳しく、お客さまに事情をお伝えし、申し訳なかったのですが予定プログラムの変更をいたしました。お客さま皆様は温かいご理解を示してくださり何とか無事にコンサートを終えることが出来て肩の荷がおりた思いです。今回演奏しなかったフォーレのソナタとマスネのエレジーの演奏は次回春のコンサート(2025年4月20日)にて実現いたしますとお約束いたしました。今回ご出席されなかった皆様も是非にご来場くださいませ。お会いできましたらとても嬉しく存じます。

母に関してはお陰様でその後も新しい出血は起きていないとのこと。早々に退院し、先日傷口の抜糸も済み、今は回復途上です。年齢が年齢ですので一時はどうなることか心配でしたので本当に有難いことと感謝の念でおります。お心をかけて頂き誠にありがとうございました。

それにしても人生、突如どんなことに遭遇するか分からないものですね。
一日一日を大切に生きていかなくてはとの思いを強くしています。

心のコンサートを33回まで継続することができましたのは、続けてご出席くださる常連のお客様たち、そして、新たにご参加くださいましたお客様皆さまの当シリーズに向ける温かい思い入れのお陰です。皆さまに励まされ、後押ししていただきながら持続させて頂けることには感謝の念でいっぱいになります。終演後のレセプションを開いてお客様との交流を図りたい思いでいっぱいですし、ゲストの方をお迎えしての対談も一日も早く再開できることを願っているのですが、コロナ感染は未だに増減を繰り返すため様子見の状態です。それでも、終演後にお客様たちと少しお話しする機会を持つことが出来、若い年代の聴衆方々のご参加も増えている状況を知り、とても勇気づけられます。

「誘われて初めて伺いましたがとても素晴らしく楽しいコンサートで、是非に次回も伺います」「セレクトして下さる曲目の数々が本当に素敵で心が浄化されるようでした。大津純子さんの心配りを感じます」「美しいメロディーに聴き入り時間が経つのを忘れ た・・・」 「お話が楽しく、演奏から伝わってくる大津さんのチャーミングなお人柄に魅了された」などなど、頂いた感想の数々を噛み締めながら、改めて音楽の持つ「包容力」の大きさに感じ入っております。

今回はポリーヌ・ヴィアルドと彼女の音楽にお詳しい音楽評論家、谷戸基岩先生がご出席くださり、終演後にポリーヌとサン=サーンス、そしてベルリオーズが絡む興味深 い逸話をご披露くださいました。奥様の小林みどり先生(知られざる女流作曲家たちやポリーヌ・ヴィアルドの研究で有 名)のポリーヌに関する新・著書をプレゼントして頂き、感激いたしました。

谷戸先生からは「貴女の演奏を聴きながら、やはりヴァイオリンにとっ てポルタメントはとても重要な、演奏者の自由裁量でなされるべきテクニックなのだと改めて思った・・それが貴女の演奏の艶に貢献しているのですね・・・」というお言葉を拝したことは大変な励みとなりました。今後とも真摯な思いで音楽と向き合い、研鑽を重ねてまいりますので どうぞよろしくお願い申し上げます。

「心のコンサートシリーズ」開始当初より長い年月に亘りスタッフとして協力・尽力してくれている友人たち全員が 心ひとつに開催準備に邁進してくれますことが毎回の成功の何よりの大きな力です。関係者皆様に心より感謝を捧げさせて頂きたいと思います。

次回2025年4月20日(日曜日)午後3時半に代官山ヒルサイドで又お目にかかりましょう!

寒さが増してまいります。どうぞご自愛くださり素晴らしい新年をお迎えくださいませ。

2024年11月24日 記

 

山梨県竜王にある「子どもの村小学校・中学校」から届いた感想文と写真

山梨県竜王に『南アルプス子どもの村小学校・中学校』という大変ユニークな学校があります。そちらに10月9日訪問演奏のため伺ってきました。

学校法人 きのくに子どもの村学園(本部は和歌山県だったかも?)が母体で、日本の方(どこか大きな会社の経営者?お名前失念🥲)が、英国の創始者の方にお会いしてその教育精神に感動し、日本に同じコンセプトの学校を開設されました。

最初は和歌山県1校だけでしたが九州や山梨など今は全国に5校あるそうで、間違えでなければ和歌山には高校も創設されています。最近長崎に(地元からの誘致があり)第2校目が創設され、廃校になってしまった学校の屋舎を使っているとか。

おそらく現在の日本の教育のあり方に疑問を持つ人たちが増えているのでしょうね。子どもの村学園はどんどん発展しているようで嬉しく思います。

教育の主導権を持つのは子どもたち。“先生”というものは存在せず、“子ども”を必要な時に支え、子どもたちの考えた研究(学習)目標・アイディアなどが上手く進行するようお手伝いをするのが”大人”と呼ばれる教職員たちです。大人たちは全員子どもたちが付けたニックネームで呼ばれています。日本の教育に欠けているといわれる子どもたちの「自主性」を育てることが一番の大きな学校方針で、自然の中(富士山がすぐそばに見える!)で子どもたちが伸び伸びと成長しています。

私の同校との関わりは、知人からぜひ一度子どもたちに演奏を聴かせてもらえないかとの打診があり、今回で(10年ぐらいの間に)3回目ですが、久しぶりに伺いました。最初に伺った時は小・中学併せて150名ぐらいでしたが今や250名ほどに子どもたちが増えています。

子どもたちで学習机や葡萄棚や渡り廊下の屋根を作ったり、自分たちで決めた様々な興味のある研究をコンピューター駆使で班ごとにやっています。とにかく子どもたちの目が輝いていて元気いっぱいで、ものすごいエネルギー!!素晴らしいです。中学を卒業すると一般の受験を通して高校、そして大学(かなりの名門校に)へ進み、留学するお子さんもいます。社会人としても大変立派な青年になっています。

元気な子供たちと本当に楽しい時間を過ごしました。

今回のイベント担当者でいらした“大人”(笑)の方が、子どもたちの感想文と演奏会での写真を送ってくださいましたのでぜひご覧くださいませ。

2024年11月8日記

 

大津純子さま

先日はコンサートを開催してくださり、ありがとうございました。バイオリン1台でこんなにすごいんだ!という声が小さい子たちからも聞こえてきました。その後、子ども達はトトロを口ずさんだりして余韻を楽しんでいます。また、コンサートには近隣の方も見られていて、学校に集まってみんなで楽しむ場がつくれたこと、本当に嬉しいです。ありがとうございます。一部ですが、子ども達からの感想と写真をお送りします。

 

<小学生>

・すごく楽しかったです。またきてほしいなと思います。ありがとう。音がすごくきれいだった。(小2・男子)
・バイオリンは、いろんなうたがあって、いっぱいうたをひいてくれて、そのあと星に願いをと、となりのトトロをひいてくれて、いっしょにうたいました。楽しかった。(小2・女子)
・バイオリンの音はきれいでした。(小3・女子)
・中国のたいこが一番良かった。(小3・男子)

<中学生>

俺はヴァイオリンの演奏を初めてみました。しらない曲もあったけど、面白かったです。眠くなりました。ラ・カンパネラを弾いててあんな難しい曲を弾けててすごいなと思いました。最後にとなりのトトロをみんなで歌いながら弾く場面があったんだけどみんな声がでかすぎてバイオリンの音が全く聞こえませんでした。(中2男子)

火曜日にまっきーの友達でバイオリニストの大津さんがバイオリンを弾きに来てくれた。バイオリンを生で聴いたことが無く今回が初めてだ。弾き方が跳ねているように見えるリズミカルな曲や、美しい曲もあった。あと弾くやつが長いのに1弦だけ音を出すのがカッコよかったし、ラ・カンパネラが最高だった。大津さん、いい演奏をありがとう!(中3男子)

初めてバイオリンの生演奏を聴いた。中国の太鼓や、ラ・カンパネラなど、テンションの上がる曲があり、みんなが盛り上がっていた。とても楽しかったし、感動した。 (中1男子)

ヴァイオリンの音色がとても素敵で聞いていてとても心地よかったです!とくに最初の愛の挨拶が1番好きでした。(中3女子)

知ってる曲がたくさんあり、しかも作曲者がどんな気もちで作曲したのかも話してくれて、すごく楽しかったです!ヴァイオリンの音も綺麗で癒されました。ありがとうございました!(中2女子)

バイオリンひとつでも、他の楽器の演奏が聞こえるように感じました。バイオリンの弦が羊の腸できているのが衝撃でした。小学生の時も今回も聞けて嬉しかったです!(中3女子)

先日はわざわざ子どもの村の学校までバイオリンの演奏をしに来てくださりありがとうございました。バイオリンはとても素敵な音色で音楽がもっと好きになりました。私もいつか大人になり仕事をするとき、どこかで音楽に触れていられるような仕事に就きたいです。最後の質問を受け付けていた時間にバイオリンを始めたきっかけはお母さんだと言っていましたが、きっかけはなんであれ楽しそうに楽器を奏でていた姿がとても素敵でした。大津純子さんが学校に来られて「子どもたちからパワーをもらった」と言ってくださったそうですが、私もとても、音楽に対する愛のパワーをもらいました!今後もぜひ大津さんのバイオリンを多くの人に届けて欲しいと思います。学校に来てくださり本当にありがとうございました。 (中2女子)

一曲目から耳にしたことがある音楽を演奏していただいたため、気持ちが入りやすく、ヴァイオリンの音色にうっとりとしました。さらにその後、中国の太鼓などの軽やかなリズムの曲では、ワクワクした気持ちになったとともについつい純子さんの手元に見入ってしまいました。私はあまりコンサートなど観に行く機会がないですが、長すぎない時間で飽きずに楽しく聴かせていただきました。貴重な体験ありがとうございました!(中2女子)

バイオリンだけでこんなにすごいとは思いませんでした。去年オーケストラを見てバイオリンやサックスは個人ではなく色々な楽器と合わさってすごいものなのかなと思っていたけど、実際バイオリンだけの演奏を聴いてみて、本当にすごいと思ったし、少し眠くなったけど、それでも見ていれるくらい面白かったです。今度は情熱大陸も弾いてほしいな。(中3男子)

感動しました。(中3男子)

バイオリンの演奏を生で聞いたのは初めてじゃなかったんですが、聞いた中でもかなりすごかった。とくに最後のラ・カンパネラの演奏がほんとにすごかったです。すごかったしか言葉が出ないほどすごかったです。(中3男子)