心のコンサートその32

Junko’s Heart-to-Heart Concert No.32
≪音楽逍遥≫ “テーマはパリ!” 〜 The Theme is Paris! (Part 1)

チケット申込<心のコンサートその32>

ご無沙汰申し上げております。皆様お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますか?
気候変動が激しすぎて、いったいどの季節にいるのか困惑してしまいますね。
それでも自然は着々と歩を進めていて、色とりどりの春の花々が華やぎを添え始めました。
早咲きの桜がポツポツと蕾を膨らませているというニュースを耳にしましたが、正式な桜の開花予報が3月19日!!・・・というトンデモない情報に衝撃を受けています。果たして帰国が桜鑑賞に間に合うものか心許ない思いがします。毎春の帰国は桜に会うため、と言っても決して過言ではないのですもの・・・(涙)

さて、来る4月21日(日曜日)15時半(開場は15時)より《心のコンサート・その32》を、お馴染みの代官山ヒルサイドプラザでの開催です。一年に春・秋二度のシリーズですが、今回から一年ごとのテーマを決めて長いスパンでの企画に取り組んでみることにしました。
第一回目は “テーマはパリ!~Part 1”  1871年〜1872年の普仏戦争(フランス帝国とプロイセン王国間で勃発)が終わったことでフランス社会に楽観的な空気が生まれ、経済の発展、植民地の拡大に伴い、テクノロジーや科学に裏打ちされた革新的な時代ベル・エポック(Belle Époque=美しい時代/黄金の時代)が誕生しました。アール・ヌーボー(Art Nouveau=新しい芸術)と呼ばれる文化・芸術形式がパリを中心に花開き、それまで考えられなかった “波のようなうねり”や“蔦が絡み、上へ上へと登っていく” 自然界の形態を模したデザインを建築、ベアズリーによるイラスト作品、またグラフィック・デザインの世界やエミール・ガレのガラス工芸品などに見ることができます。当然ながら その影響は音楽の世界にも及び、古典やロマン派の「形式」重視の作曲法から踏み出して、“感性”を大切にした印象派など、新しい響きを求める音楽創作が始まっていきます。チラシのデザインに その“素敵な時代”を見事に反映して頂けたことに喜び一入です!

今回のプログラムでは<文化の中心地・パリ>に集い、新しい音楽の世界を切り開いていった才気あふれる作曲家たちの作品を取り上げました。セビリア生まれのスペイン人作曲家、トゥリーナのピアノ三重奏曲≪環≫は、夜明けに始まり、活動的な昼間を経て再び夜の静けさに完結する“ある一日”の状況が音楽で描かれています。人々の営みを想像しながら耳を澄ませ、絵画を見る思いで聴いて頂けたら嬉しく、また、スペインの舞踊リズムがフランス音楽に及ぼした影響もプログラム曲を追いながら楽しんでいただけるのではないかと思います。
圧倒的に有名な名曲、マスネによる『タイースの瞑想曲』、ドビュッシーの『月の光』、そして、彼がわずか18歳の時に作曲した唯一のピアノ三重奏曲ト長調は初々しく、ロマンに溢れた作品で1982年まで楽譜は発見されずにいました。

私のアメリカでのパートナー、ピアニストのイリーナ・コフマンさん、何度かゲスト出演して頂いているチェリスト、渡部 玄一さんとの共演を楽しんで頂けたら幸せです。
では4月21日(日曜日)に代官山ヒルサイドでお会いできますことを心待ちにして!!

 アメリカの地より  大津純子