| <アラスカ・クルーズ in 2004/写真集> | ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ 何故か?!2004年11月28日記 |
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6月21日、ニューヨークからカナダ・バンクーバーに飛び、ハワイ経由で日本からアラスカに向かう豪華客船『飛鳥』に乗船。雄大なアメリカの自然を背景に、コンサートと、日本文学者、ドナルド・キーン先生との対談をこなしてきました(対談については又改めてご報告しますね)。約一週間の船旅でしたが、異なるプログラムによる3回のコンサートと対談が組み込まれたスケジュールは、かなりハード。ゆったりとクルージングを楽しむ・・・なんて贅沢なゆとりはなく、目一杯よく働いたなぁ、というのが正直な感想です。(しかし、私は働きに行ったのですからね、それで当たり前なのじゃ。)
それでも、やっと見つけたリハーサルの合間に第3の寄港地・スキャグウェイにて下船。キーン先生、先生のアシスタント・平井史朗さん、私のピアニスト・鷲宮美幸さんの4人でタクシーをチャーターして大自然の中へと繰り出しました。僅か2時間ほどの散策でしたが、壮大な山々に囲まれ、物音ひとつしない草原に佇んだ時の、あの開放感は言葉に表せません。悠久のとき・・・とでも言うのでしょうか、時間の流れがストップしてしまったみたい・・・深呼吸をして、深呼吸をして、体中の細胞を再生させて・・・<幸せ>って、もしかすると"このひと時"のことを言い得てるかも・・・そんな思いに包まれていました。現代の忙しない世の中に生きていると、<静寂>が与えてくれる至福に思いを馳せることすら忘れてしまっているかもしれませんね。 オッチョコチョイの私が案の定「間抜け」をやらかし、デジカメだと信じて持ってきたものは袋を開けてみたらMDレコーダーだったり(ガックリ・・・)して、自分では素敵な大自然をカメラに収めることができず、ここにご紹介する写真は全て平井さんや鷲宮さんに撮っていただいたもの。野生あやめの群生、ファイアー・ウィードと名付けられた濃いピンクの花々、名前は分からなかったけれど鮮やかな黄色い花をつけた植物が咲き乱れ(もっとも、あやめはチョッピリ時期の終わりでしたが)、万年雪を頂いた山々が背後に迫り、氷河から溶け出した水と、海からの水が混入してヒタヒタと満ちた入り江。ふと見上げたら白頭ワシが一羽、spruce(トウヒ◆マツ科トウヒ属の常緑高木)のテッペンに・・・と、もっと〜〜〜〜お見せしたい光景など一杯あったのですが、取り敢えずは、この貴重な数枚から想像力を発展させてくださいね。
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スキャグウェイは19世紀のゴールドラッシュに沸いた町。今でこそ千人足らずの人々しか住んでいませんが、アメリカ史上最大級であったクロンダイク金鉱への最短ルートにあったため、アメリカ中から一攫千金を夢見る人々が押し寄せて、1869年当時は約2万人の人口に膨れ上がっていたそうです。東南アラスカ最大の都市となっていたこの町もゴールドラッシュが過ぎると一気に衰退しましたが、観光による町の再生を掛けて、当時のノスタルジックな町並みを再現。町をうろつくと、往事のファッションに身を包んだ宣伝マンたちがニッコリと笑顔を向けてくれます。チャップリンさんの映画『Gold Rush』のシーンが甦ってくるみたい・・・。
連日気温25,6度まで上昇するほど天候に恵まれた約一週間の船旅は、「アラスカお天気新記録」を更新し続け、汗ばむような気候。用意していった防寒具はほぼ洋服ダンスの引き出しに眠っていました。ちなみに、飛鳥が立ち寄ったアラスカの町々はケチカン、ジュノー、スキャグウェイ、シトカ、スワードの5港。時にはフィョールド(氷河によって出来た入り江)の中を、また、ヤクタット湾に面した北米大陸で最大の幅を持つハバード氷河(海面に接した部分の総延長が約9キロ、高さ100〜200メートル、水深200メートル)など、幾つもの氷河を間近に見ながらの航海は目を見張るばかり。氷河の崩れ落ちる豪快な様子はすごい迫力で、身体中に共鳴するかのような轟音(「ホワイト・サンダー」と呼ばれる)は『神代の時代』へと誘うような、不思議な感覚を私にもたらしました。ちなみに、氷河がどのようにしてできるのかもお勉強しました。なんでも、30メートルの雪が積もると下の30センチが氷になるのだそうです。圧水によって空気が全部押し出されて真空状態になったものが氷河の氷。そして、それが真っ青に見えるのはプリズム効果で青い光のみを反射するから。また、氷河が崩れる時に下の岩を削り落し、そのRock flour(岩粉)が水をエメラルドグリーンに見せているとのことでした。自然が創造する<美の世界>は魔法ですね。 |
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