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Impromptu 純子の思いつくままに
2002.6.25 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
6月21日が "the first day of summer"
ということを天気予報で取り上げた途端に完璧な夏日になってしまった。温度計は30度を上回り、湿度もジリジリ上昇中・・・
ニューヨーク(といってもマンハッタンなのだけれど)の夏はきびしい・・なにしろエアコンから噴出す熱気がコンクリートに照りつける強い日差しと相俟って、こちらに逃げ場を作ってくれないのだから・・・。このところ世界中の異常気象は定着化してしまっている感があるけれど、確か少し前まではニューヨークの6月は爽やかで、私のお気に入りの季節だった。長い冬を越え、春といってもまだ肌寒い日々が多い5月。やっと鮮やかな緑と季節の花々に囲まれて、自然と心が伸び伸びしてくる・・・。
3ヶ月ぶりにニューヨークに戻り近隣を歩き回ったら、街路樹の足元に作られた花壇や、ブラウン・ストーンと呼ばれる4〜5階建てのアパート・ビルの小さな前庭にも、可憐な花々が咲き競っているのに目を見張ってしまった。以前は、街路樹の根元なんて犬のお散歩の犠牲?となって、すっかり虐げられていたのに今はどこもここも、よく手入れされ"華麗"な変身。9/11―"ナイン・イレヴン"とアメリカでは呼んでいる ―が起きたあと、少しずつニューヨーカーたちの気質に変化が起きている証なのかもしれない・・・。
9/11といえば、未だにあの事件の犠牲者たちの葬儀が日々行われているけれど、殆どは、救助にむかった消防士たちのもの。彼らのことを < Hero >と呼ぶのは簡単だけど、現場にいた彼らの心の中を過ぎっていたのは一体何だったのだろう・・・社会の、そして見ず知らずの人たちのために命を掛けることが仕事である彼ら。片や、自分たちの価値判断だけが至上であり唯一である人たち・・・何かが、とんでもなく狂いだし、先がまったく見えなくなってしまった・・・。

グローサリー・ストアに行ったら、あの可愛いピーチが目に飛び込んできたのです。
何年か前に "unusual peach" という記事をNYタイムズで見つけ、興味津々でわざわざクロスタウン・バスに乗って(普段、食品類の買い物なんて近所で済ませてしまうのに・・)イーストサイドのグルメショップまで確かめに(!?)行ってしまった・・。
正式名:peento peach、呼称:ドーナッツ・ピーチ。う〜ん・・そう、少しイビツな小ぶりドーナッツみたいな形をしている。真ん中に"穴"はないけれど、でも、ちゃんと凹みがあり何とはなしにご愛嬌で、思わず"ウン、ウン・・"と取り上げて頬ずりしたくなるような・・・ほんのりとピンクに染まったスキン・カラーが上品だし、味も色も香りも白桃のよう。しかし、NYタイムズの記事は馬鹿げていて、"・・こんな格好になったのは、別にドーナッツの遺伝子をモモの木に組み込んだわけではありません・・" ― そんなの当たり前じゃないですか!
伝えられるところによると、中国モモの子孫なのだとか。アメリカに辿り着くまでに大変ながぁ〜い道のりがあって、最初はジャワ経由でイギリスへ、そして1828年以前に、ウィリアム・プリンスという苗木屋さんが、今のフラッシング(NYのクィーンズ地区)辺りに持ち込んだらしいけれど、うまく根付かなかった。1869年になって、ジョージア州に住む苗木栽培者:P.J.バークマンズ氏が、はるばる中国から桃の種を持ち帰ったら、その中に <Peento Peach>の種も混ざっていたというわけ。現在はワシントン州にて栽培中・・というのが、その歴史で、それにしても、このピーチにそんなバック・グラウンドがあったなんて、益々いじらしく感じてしまう・・・ピーチに貼られていたシールが傑作なのでご披露します;
<UFO>=Unique Fruit ORB(ユニークなフルーツ球体)― なるほど・・・上手く名付けたものですね。日本で見かけたらヨロシク!!

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