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Impromptu 純子の思いつくままに
  <明けましておめでとうございます>  ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★

2011年1月10日 記

  <明けましておめでとうございます> 

時は着々と流れ、ついに2011年となりました。
皆様はお正月をどのように過ごされましたか?
あまりにHPが更新されないので、もうページ閉鎖したのかね? − なんて思われ、見捨てられちゃったかも・・・と気懸かりなのですが、長期にわたるご無沙汰、ごめんなさい・・・
何はともあれ、干支の「卯」(うさぎ)は“茂る”にあたり、“万物出づる・ひらく”の意味があるとか。新たな運がひらけ、よき“めぐりあわせ”ある年となりますように!

昨年は矢鱈と慌しい一年でした。何故って? 実は、ヴァイオリンで奏でる「津軽民謡集」DVD制作を一念発起。可能な限りの時間とエネルギーを そのために投入することになりました。過去5年間、青森TVさん主催の ≪大津純子の音楽彩々≫ シリーズを毎春重ねているうちに、「津軽民謡」の編曲レパートリーが蓄積してきました。
折角だからCDを作ってみようかな、と軽い気持ちで青森TVの方にご相談したところ、 “いや〜、それならやっぱりDVDですよ。12月には青森新幹線が貫通するから、そこに照準を合わせたらどうですか?”と背中を押され、単純脳細胞(アハハ)持ち主の私はすっかりその気になって、とうとう自ら企画・構成・プロデュース、そして演奏も・・・と頑張ってしまったわけです。

わずか年2回の帰国時に、打ち合わせ、録音、撮影などなど、青森通いしながらすべてをカバーしましたから、そのプレッシャーときたら想像以上。そもそも<企画>というものは逐一(ちくいつ)細かい計画の積み重ねですし、(当たり前だけど)あらゆる決断はプロデューサーである自分ひとりの肩に掛かる。他の活動傍らの進行は、集中しきれない分きびしく、とにかく 時間が足りない!体が足りない!エネルギーが足りない!・・・と“足りない”づくし。それでも青森の皆様からの心尽くしのご協力と、そのお心の温かさに支えられながら何とか完成に向けて突っ走ることができたと言えます。感謝・感謝です!!

DVDのジャケット・デザインは、私の敬愛するイラストレーターの和田誠さんが担当してくださり、とっても可愛くて、お洒落なものが出来上がりました。諸事情あり、一般向け市販はこの2月まで延期することになりましたが、追って“大宣伝”(笑)させて頂きますので、楽しみにしていて下さいね。 視聴して頂いた方々からは“映像も音も抜群!”と大変好評いただき、勇気付けられています。是非、よろしく応援をお願い申し上げま〜す。

さて、相も変わらず地球規模での気象異変は続いていますね。暮から新年にかけアメリカ大陸では東西南北、大寒波や大雨の被害に晒されました。ニューヨークなど北東部のドカ雪については日本でも報道されたんじゃないかな? 今朝のTVニュースでは、南部も雪にアイスのダブルパンチで、アトランタ空港が閉鎖されたと報道していました。今冬は端(はな)から冬将軍大暴れの様相です。

年末の大雪時、私はNYを留守にしていたのですが、私の友人がマンハッタン雪原(笑)の写真(by Hiroko Kawakami)を送ってくれましたので紹介させてくださいませ。
午前8時台から昼過ぎに掛けて撮影された写真ですけれど、午後にはmid Manhattanでは除雪作業がかなり進んでいますね。

除雪の手際が非常に悪い−とNYのBloomberg市長は散々の批判を浴びていましたが、Manhattan だけを見る限りでは“政治手腕の欠如だ”とまで非難されるものでもなさそうだけど・・・ ま、雪解けが始まると道路は大洪水になり足元グチャグチャで遣り切れませんが、降雪直後ってなかなか詩情があってきれいですよね〜 、ウフフ。 大雪になると山積みになるのは雪だけではなくて、回収不能になったゴミも然り。雪嵐のあと暫くは清掃車が来ないから、道端にゴミがうず高く積まれてしいます。ビルから飛び降り自殺しようとした人が、なんとゴミの山頂に落ちて命拾いしてしまった・・・なんて、(笑えないような)話もある、と友人は話してくれました。

実は、先日とっても不思議な出会いがありました。NYが雪で大騒動になり飛行機のキャンセルが続いたことで、ちょうどフロリダに居た私はちょっと面白い体験をすることになります。友人の知人から電話があり、“NYから訪れている若手グルジア人ピアニストと、そのガールフレンドが私の家に滞在しているの。ガールフレンドもピアニストで、彼女は日本人よ。彼ら本当は明日NYに戻る予定だったんだけど、飛行機が飛ばないからあと3日は滞在することになってね。彼は最近シンシナティのコンクールで優勝し、そのPrizeとしてこの4月にNYデビューが予定されているの。ウラジミール・フェルツマン(ロシア人の巨匠ピアニスト)が見出した子でね、素晴らしい才能があるのよ。是非、ヴァイオリン持ってきて一緒に演奏してみない? 家にはティー・ハウスがあるんだけど、そこはとても音響が良くてね、明後日、ディナーと簡単なコンサートをするのはどう? 親しい友人たちに声かけるから・・・”と誘いを受けたのです。急な話だったけど、ちょうど予定も入っていなかったから彼らに会ってみることにしました、もちろんヴァイオリン持参で。

さて当日。件(くだん)のピアニストたち・・・とっても感じのよいお二人でしたが、日本女性の彼女が開口一番、“私、大津さんには7年ぐらい前に東京でお会いしてます・・・”私:“え〜っ!一体何処で、どうして・・・???” 彼女:“大津さんが紀尾井ホールで『Good Old Days』シリーズのコンサートをされた時、大津さんのピアニスト、コレットさんの譜めくりをさせて頂きました。その時はまだ私は桐朋学園音大の学生だったんですけれど、Paul Schoenfield の「Cafe Music」 (ピアノ三重奏曲)を演奏されて・・・”なんていう話だったのでビックリ!! 彼女は加賀谷 舞さん(なんたる優雅なお名前!そして“名は体を表す”ごとくの、もしかすると近年あまり見かけなくなった“淑やか”な女性)とおっしゃり、桐朋音大卒業後間もなくNYのMannes音楽院に留学されたとのこと。今は彼氏のグルジア人ピアニスト、Alexander Beridze (アレクサンダー・ベリッツ)君とピアノ連弾アンサンブルを組んで活動しておられる由。

それにしても東京からもNYからも遙か離れたこの地で、しかも、飛行機のキャンセルが無かったら絶対に再会していなかったのよね〜ぇ・・・何というご縁なのでしょう、と、その場に居合わせた皆で興奮(笑)してしまいました。本当に 世界は狭い!! すっかり打ち解けて、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタや、ヴァイオリン小品、そしてお二人による連弾:メンデルスゾーン『真夏の夜の夢』、アレクサンダー君の祖国グルジアの作曲家によるピアノ作品など演奏し、その後のディナーでも芸術論や世界論こもごも話題は尽きず、とても和気あいあいの楽しい時間を過ごしました。

こういう時にいつも思うのですが、音楽の道に進んで本当によかったなぁ、と。
お客さんも含め、ほぼ皆初対面に近い状態でしたし、ナショナリティも、職種もかなり異なる(アーティスト=彫刻家・建築家・音楽家、弁護士、ビジネスマンなどなど)集まりだったにも拘らず、音楽で心がほぐれると、こんなにすぐに仲良しになれる・・・それぞれの異なるバックグラウンドから学ぶものはとても多くて、世界中でこういった交流が可能になれば、戦争や諍い(いさかい)だって減っていくだろうに・・・。 ただ、人間にとっての“魔物”は、力(政治的)であり、お金なのでしょうね。確かにお金が無いと遣りたいこともできないし、お金があることで“パワー”が具わり、政治力も付く。でも誰も彼もがそれを望むところに争いは止まることを知らない状況に陥ってしまいます。

最近、健康に関わる仕事をしている私の友人と話をしたのですが、人間の健康にとっての一番のインパクトは、健康食品でも、薬でもなくて、美しいもの、美しい音楽、心地よいと感じる空間に出会うことなんだそうです。きれいな景色を見た時、素晴らしい芸術を鑑賞した時、美しい音楽に触れ心が揺さぶられた時・・・感動を受けた、その瞬間に人間の細胞はものすごく活性化するのだそうです。そういった空間作りに生涯関わっていけたら“芸術家冥利”につきるな・・・と、そんなことに思いを馳せていました。

すっかり長くなっちゃった。では、皆さまどうぞお元気で!
素晴らしい一年にしてまいりましょう!! 本年もよろしくお願い申し上げます。


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